外は-10度でも中はポカポカ。高断熱高気密なモダン平屋 清水町G邸

インダストリアルプランニング清水町

シティホテルを思わせる洗練されたモダンなインテリアが持ち味のG邸。平屋ならではの機能的な間取りとゆったりした水廻りも魅力です。オーナーのGさんに引き渡しまでの道のりと初めての冬を過ごした感想を聞いてみました。

雪景色に映えるインダストリアルモダンな外観

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2019年11月完成のG邸は緩やかな片流れ屋根と三角屋根を組み合わせた平屋建て。レンガ調タイルとモルタル壁をバランスよく配し、ナチュラルな木でアクセントをつけたインダストリアル系のモダンデザインが印象的です。

設計・施工はカントリー系やインダストリアル系のデザインを得意とし、高性能住宅づくりにこだわる十勝・芽室町のカントリーヴィレッジ。「ホームページに掲載されていた素敵なガレージハウスが目に留まり、事務所を訪れたのが朝日さんとの出会い」とGさんはいいます。

「『これがお勧めです』と、自社の考え方を前面に押し出してくる大手メーカーの営業スタイルに馴染めず、地元の工務店さんも当たってみようと考えていた時でした。朝日さんは私たちの希望をきちんと受け止めて下さる"住む人ファースト"な方。帰りの車の中で『この会社にお願いしよう』と決めていました(ご主人)」。

のびやかで機能性の高い3LDKの間取り

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内部は「カッコイイ家にしたい」という奥様の希望をほぼ100%叶えたホテルライクな空間。

通り抜け可能なシューズクローク付きの玄関ホールには、花や木を抽象的な曲線で描いたボタニカルな絵が飾られています。モダンなシャンデリアもこの家の雰囲気にピッタリ。

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左手に見えるスタイリッシュなガラスドアを開けると、吹き抜けのあるリビングと趣味を楽しむための洋室、客間があります。反対側には寝室があり、メインの生活空間とプライベート空間を分けた3LDKの間取りです。延床面積は約35坪。
「今まで住んでいたアパートでは来客時に手狭だと感じていたので、広いリビングとパーソナルスペース、客間を備えた現在のプランを採用しました(ご主人)」。

黒とグレーにこだわった高級感あるインテリア

200209country_017.jpgゆるやかな勾配天井のリビング。モノトーンでコーディネートされた大人の空間です。存在感のある黒いソファの正面には大型の壁掛けテレビがあり、ホテルの一室に居るかのような贅沢感を味わえます。

「白や木目があまり好きではないので、マットな質感の黒とグレーのインテリアに徹底的にこだわりました。居室も水廻りも同じトーンで仕上げています(奥様)」。建具はチャコールブラック、壁はグレーで統一。ブラインドもグレーです。

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床はフローリングにする予定でしたが、ミニチュアダックスフントの"カレンちゃん"が滑りにくいようグレーの石目調タイルを貼ることに。カレンちゃんのトイレはテレビを設置した壁の裏側に設けています。

黒とグレーで統一したキッチン廻り。収納も充実

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熱に強いセラミック天板を採用したグレーのアイランド式キッチン。
黒のガスコンロは旭川のショールームまで足を運んでやっと探し当てた奥さまのお気に入りです。ダイニングテーブルもセラミック天板で質感を合わせました。

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「生活感を出したくない」という奥様の意向によりキッチン収納は中身が見えません。ロータイプの食器棚はキッチンと同じ黒のセラミック天板を使って造作したオリジナル。その左側に天井までの高さがある大型パントリーを設置しています。

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「キッチンが決まってから細かい部分を決めていきましたが、全て黒とグレーで揃えるのは大変。ポピュラーな白と比べて選択の幅が狭く、好みのものを選ぶと予算オーバーしてしまうことも。間取りより設備・建材選びに時間を費やしたぐらいです(奥様)」。

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キッチン横の書斎コーナーのある洋室(上)とリビングの奥の客間(下)も黒とグレーを基調としたコーディネート。

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水廻りもゆったりと居心地良く

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回遊動線上に配置したゆとりのある水廻りもG邸のこだわりです。キッチンから洗面スペース、ユーティリティを経由し、浴室へと続く真っ直ぐな動線。突き当たりを右に曲がると、左手に洗濯機置き場とトイレがあります。

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全面鏡貼りの黒の洗面台を造作した気品のある洗面スペース。鏡の下に設置された間接照明が映し出す石目調タイルの陰影がとてもキレイです。「清潔感のある白の方がいいのかな、と迷いましたが、居室との一体感を重視して黒を選びました(奥様)」

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洗面スペースと別になったユーティリティはキッチン側と寝室側の2方向から出入り可能。大容量の収納スペースにはシャンプー・リンスの買い置きなどをストックしています。

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木の葉をモチーフにしたクロスを使った間接照明がお洒落なL字型のトイレ。入り口からはコーナーに取り付けた黒のタンクしか見えないので、そこがトイレであることさえ感じさせません。

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シンプルで落ち着いた雰囲気のベッドルーム。最初のプランではリビングの近くにありましたが、来客があっても気にならず、水廻りに直結した今の位置に変更しました。ここにもクローゼット横のデッドスペースを利用して、カレンちゃんのトイレを確保しています。

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独立したウォークインクローゼットには奥様の洋服やバッグがセンス良くディスプレイされています。「柄が気に入っていたベージュのクロスと白の棚板で居室とは違ったイメージにしてみました(奥様)」。

厳寒期でも裸足。新居で過ごす快適な冬

住宅本体の性能はUA値0.26W、C値0.5cm2以下。十勝の厳しい気候条件に対応できるハイスペックな性能です。開口部は日射取得性を優先する南面と西面はペアガラス入りサッシ、北面と東面は断熱性に優れたトリプルガラス入りサッシを使用して使い分け。暖房はガス熱源のエコジョーズによる床暖房、換気は室内の暖房熱を回収する熱交換換気を採用しています。

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取材当日、清水町の日中気温はマイナス10℃前後でしたが、室内は裸足でも平気な暖かさ。「性能的にもハイスペックな家にしていだだきました。設定温度を抑え気味にしていますが、それでも十分暖かい」とご主人。

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家が完成するまで悩みに悩んだ奥様も「とても満足しています」と満ち足りた表情です。無事、引き渡しが完了した時は引っ越しも手につかないほどグッタリ。「妻はまるで燃え尽き症候群のアスリートみたいでした」とご主人は笑います。

工事が始まってからはほぼ毎日、現場に足を運び、作業の進行状況や細部の納まりを自分の目で確認したという奥様。気になることがあれば、その場で棟梁の佐々木研二さんに相談しました。「2時間ほど話し込んだことも。いつも手を止めて解決方法を考えて下さいました」。佐々木さんを通じ、Gさんのお考えが朝日社長に伝わるため、コミュニケーションもスムーズでした。

「私たちの知らないところで朝日さんと佐々木さんがいろいろと調整して下さったおかげで悔いのない家づくりが出来ました。ハウスメーカーではここまで対応してもらえなかったと思います。朝日さんを困らせた場面がたくさんあったのかもしれませんね」。

心配するご主人に「Gさんは主旨が明確でブレません。テーマが二転三転する方々も多いのです」と朝日社長。「奥様から『朝日さんの提案なら夫も反対しない』と言われた時は心の底から嬉しかった」と笑顔で語ります。

「とことん突き詰めたのは、一生居心地の良い家で暮らしたいから。私たちにとって住まいはそれほど大事な場所」。奥様の言葉が胸に響きました。

200209country_033.jpg取材を終えて

「一生一度の家づくりで後悔したくない」という住まい手の強い思いが感じられた家づくり。白と木目を使わないことに徹したコーディネート術もユニークです。ホテルライクな空間を損なわないよう、窓台や巾木のボリュームを抑えるなど細やかな配慮も。