猛暑・厳寒に負けない家を
ご存じのとおり、十勝の冬は盆地特有の寒さで、マイナス20℃を下回ることもあります。
断熱・気密性能が低い家に暮らしていると、ストーブのない部屋では寒さに震えてしまいますし、脱衣室やお風呂ではヒートショック(急激な温度変化で血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかることで起こる健康被害)などのリスクもあります。
一方、近年では夏の暑さで十勝が全国ニュースを賑わすことも珍しくありません。2025年7月24日は、帯広市の観測史上1位の38.8℃という信じられないほどの暑さに見舞われました。もはやエアコンなしでは家の中でも熱中症のリスクが高い状況になってきました。
基礎の外側にも断熱材を施工
年間の寒暖差が60℃、もしかすると70℃にも達する中で、家の中を快適な温度環境に保つことは、家づくりでも欠かせないポイントだと思います。また、結露やカビなどの問題、そして電気・ガス・灯油などエネルギーの価格高騰を踏まえた家計負担増への対策という意味でも住宅の断熱気密は軽視することができません。
カントリーヴィレッジは、高断熱高気密に関して、ホームページで、当社の仕様などをあまり詳しく解説していませんが、決してその点をおろそかにしているということではありません。今回、高断熱高気密に関して少しご説明させていただきます。
断熱性能も建て主さまと一緒に決めます
断熱性能をアピールするハウスメーカー、工務店の中には、断熱等級7、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)、あるいは断熱材の厚みや仕様、トリプルサッシなどを標準で採用することを宣言している住宅会社もあります。
一方当社は、
気密性能に関しては、どの家でも間違いなくC値(隙間相当面積)で0.5cm2/m2を切る気密施工ができる。抜き打ちで気密測定も行っています。 |
と気密性能に関してはホームページで書いていますが、断熱性能に関しては仕様、数値などを記載していないと思います。気密性能は、一定レベルを超えていないと、たとえ優れた断熱材を使用していても十分な省エネ性能を発揮できないため、どの住宅でも守るべき性能値として、0.5cm2/m2を切ることを宣言しています。
一方、断熱性能に関しては、当社の標準仕様を宣言してはおりません。
壁の外側にも付加断熱を施工
カントリーヴィレッジは、注文住宅の家づくりをしています。設計・プランニングだけでなく、断熱性能やご予算に至るまで、標準仕様、商品企画といったものを設けていません。
打合せの際にも、デザイン、間取り、性能、価格などに関して、お客様のライフスタイルや好みなどをお聞きした上で、一からプランニングさせていただき、お客様としっかり合意の上で家づくりをさせていただくことにしています。
そのため、断熱仕様、性能に関しても、お客様のご要望を伺ったうえで、性能、コストなどを総合的に検討したうえでご提案させていただきます。
天井に断熱材を吹き込むブローイング工法
とはいえ、およそこれくらいの断熱性能は確保する、という目安はあります。
外壁は2インチ×6インチ(約38mm×140mm)の規格で施工するため、壁の中に140ミリの断熱材を充填します。さらに、建て主様と相談し付加断熱(30ミリなど)を採用するケースが多くなっています。
天井は吹き込みグラスウールを400ミリ、窓は南面以外がトリプルサッシ(南面は日射取得を優先)、換気は第1種換気システム(第3種を採用する場合も)を採用するケースが多いです。
「高断熱高気密」の取り組みは制度面で年々変わっています。断熱性能の評価指標もQ値からUA値に変わり、HEAT20(ヒート20)という性能基準が生まれ、2025年には断熱等級4=UA値0.46が義務化されました。2030年には断熱等級5が義務化される予定です。
当社に限りませんが、コロナ前くらいから、十勝2×4協会の会員企業の多くは、2×6の軸間に140ミリのグラスウールを施工し、板状の断熱材を30ミリ付加断熱で施工するケースが一般的になってきました。省エネ性能を高めながら、コストアップも最小限に抑えられるためです。
当社は断熱等級5(UA値0.40)か断熱等級6(UA値0.28)を採用される建て主様が多いですが、最高等級である断熱等級7(UA値0.20)も対応可能です。現実的には断熱等級6は、かなりの高性能住宅で、暮らしているなかで窓回りやお風呂などが寒い、光熱費の負担が厳しいということはほぼ無いと思います。
それを7にレベルアップすると建設費アップのわりには、断熱性能アップの恩恵を感じにくいというのもあります。この点は、断熱性能を考える前に、光熱費や建設費の負担額について、建て主さまと話し合って決めていきたいと思っています。